ウッドガスストーブ(木質ガスストーブ)で思うこと

<はじめに>
YouTube投稿動画を参考に、2個ほど作成しました。

他の人のウッドガスストーブ

実験的に運用してみて、感じた事などを、思いつくままに記載します。

<危険性について>
・火の粉が散る場合があります。
 →大きな炎にしない。風に晒さない。燃え易い物の近くでは燃焼させない。
・炎が思いのほか、高く立ち昇る場合があります。
 →油分を含む木質(例えば杉の葉)や燃焼しやすい燃料物を大量投入せず、
  控えめを心がける。
 →当然ですが、屋内では絶対に燃焼させない。
・本体が灼熱的に、熱くなる場合があります。
 →油分を含む木質等、激しく燃焼する燃料を大量投入せず控えめを心がける。
・本体が、転ける場合があります。
 →不安定な置き方をせず、平らな安定した場所を選ぶ。
 →上に重たいものを載せない。
・燃焼時に揮発する木の成分で指先が変色する場合があります。
 →軍手では、指先への着色を防げません。
 →プライヤー、ペンチトング等何らかの道具が器用に使えるとベターです。
・手や顔を火傷したり、髪の毛を焦がす場合があります。
 →せめて軍手をする。眼鏡かゴーグルを着用する。頭を近づけすぎない。
・燃焼時に発生する白煙や黒煙が、沸かすお湯に混ざることがあります。
 →煙が出ている状況でお湯を沸かそうとしない。
 →炎が終わった後の、いこりの状態の時に熱源として利用する。
 →ふた無しで手鍋を使うとダメ、珈琲用ケトル等、なるべく外気と触れない
  器具を利用する。
・熱により付近の物に影響を与える事があります。
 →点火用に用いる物(ライター、マッチ、ガスバーナー)と遠ざける。
 →ビニール、プラスチック、紙等と遠ざけておく。

<法律に従う>
・自分の住んでいる街や、燃焼実験を実施する地域の「火災予防条例」を
 理解しておく事が大切です。

 

<燃焼について>

・燃焼と木質について
 木を燃やすと、白煙が出たり、黒煙が出たりします。そして炭に成ったり、
 灰に成ったりします。
 
 当初、燃焼過程について、さほど知識を持っていなかった物ですから、
 漠然と木が燃えると認識していて、燃焼と炭と灰は付き物だと言う感じで
 とらえていました。
 でも、観察していると、木が燃焼の過程を経て、炭になったり、灰になる様子や
 順序が、だんだん見えてきました。

 ウッドガスストーブ(木質ガスストーブ)と言う名の示すとおり、
 この燃焼装置は、木を燃やす為に、木に含まれる可燃性の成分を
 揮発させ、そして発生したガスを燃やすようです。
 ガスが生じて燃えると、木は炭になります。そして、炭は炎を
 出さずに赤く灼熱し、酸素と反応して灰になります。(そんな感じです)

 もう一度最初から言い換えると、木が高温に晒されて、可燃性のガスが
 発生するのですが、これが白煙(の様)です。
 この可燃性ガスが燃焼するためには、さらに高温が必要ですが、
 加わる熱量が少ないと、白煙のまま立ち昇り周囲に拡散しますのと、
 フタをしていない手鍋でお湯でも沸かそうとしているなら、そのお湯に
 溶け込んだりして味が悪くなります。
 目や鼻に入れば煙たくて、その刺激で涙や鼻水が出ます。

 と言う事で、この白煙に更に熱量が加われば、このガスは燃焼し、
 更なる熱量を周囲に発散します。
 
 可燃性ガスが出尽くすと炎は終了し、加熱された炭の状態に成っていて、
 上手に酸素が供給されれば、炭が酸素と結合し熱量を発散しながら、
 徐々に灰になってゆきます。

 お湯を沸かしたり、調理をするには、この炭が燃焼している時期が
 ベストだと思います。
 ただし、炎の出ている時期に比べると、発生する熱量が断然少ないため、
 小型のウッドガスストーブだと、充分な熱量(と燃焼時間:調理時間)を
 得られないかもしれません。

 さて、話を元に戻して、炭が燃焼し終えたらですが、
 うまくゆけば全てが真っ白な灰になって燃焼が完全に終了します。
 
 途中で熱量が足りず、炭から灰に至れない場合、カラゲシと呼ばれる炭の状態で
 終了することもあります。

<木質の種類等について>
 ・杉の葉は、油分を含んでいて、良く乾燥させてあれば激しく燃えます。
 ・木は細く切ってあれば着火し易く、すぐに燃え尽きます。太めに切ってあると、
  着火し辛いですが、燃え出せば長く燃えます。枝なども同じ事が言えます。
 ・竹は乾燥させたつもりでも、かなり水分?が、ある様です。もしかしますと
  水分じゃなくて可燃性の成分が液化しているのかもしれません。
  (良くわかりません)
  竹は大きな破片だと着火し辛いですが、燃え出せば長く燃焼し、
  小さな破片はその逆で、着火し易く、そしてすぐに燃え尽きます。
  竹は「竹を割った様な人」と言う言葉が有る様に、割れる性質が有りますので、
  上手にやれば、ニッパで細く割る事もできます。
<燃やし方1>
 細かな粒上にしてウッドガスストーブに充填し、上部より点火する。
 →細かい粒にするのが大変で、実験できていません。

<燃やし方2>
 細い破片や、中位の破片、やや大きい破片にして、ぎっしり詰め込んで、
 上部より点火する。
 →点火するまでが大変。なかなか着火しません。
 →かなり白煙が出ますが燃焼できず無駄になるのと、煙たくてかなり刺激が
  あります。
 →上手に着火できて燃焼も安定した場合、ぎっしり詰め込まれたイコリが
  完全に灰に成る迄の時間は比較的長く、炎が終わった後のイコリで、
  お湯を沸かすのには良い条件だと思います。

<燃やし方3>
 燃やし方2と同じ詰め込み方ですが、マッチやライターではなく、
 ガスバーナーで強烈に加熱燃焼させることで、白煙をほとんど
 出す事なく着火させる。
 →かなりバーナーのガスを使ってしまうので、エコなんだろうか?
  と疑問が沸く。
 →白煙が出ないのはグッド。

<燃やし方4>
 細い燃料をまず着火させて、その炎で次に大きい燃料を燃焼させて、
 更にその炎で、次に大きい燃料に着火させ、次々と投入してゆく。
 →白煙がほとんど出ません。
 →最初にギッシリと燃料を詰め込んで居らず、次々投入した分の燃料では
  隙間が多くて、イコリの時間が短めです。そのため、一回目では
  暖かい水程度で、2度めで、お湯になる。と言う感じです。

<燃やし方4について補足>
 次々と投入することで、白煙を抑えられるのが最大のメリットですが、
 ただ放り込んでしまうと、先に燃焼している燃料が冷やされて可燃性ガスが
 発生できなくなり、火が消えてしまいます。

 そこで、後発の燃料は、先に燃焼している燃料に近付けない様にするのが
 大切です。

 じゃ、どうするのかと言いますと、先に燃焼している燃料から発生する
 炎の先端あたりで、後の燃料をあぶるようにして、余熱を加えて暖め、
 そして着火してから投入します。

 この様にすることで、現在進行している燃焼に悪影響を与えないようにして、
 燃焼の中断を回避しながら、大きな燃焼にして行きます。


<総括>
 私の作成したウッドガスストーブのサイズは、百均のオイルポットを
 ベースに作成しており、このサイズだと、乾燥した竹を燃料とした場合、
 すぐに燃料が満タンになってしまうため、それほど大きな炎には
 至りませんでした。
 
 また、安全確保と言う点では、ビニールハウスの中で、風の無い時期に
 行うことで火の粉の飛散を回避したのと、水槽がすぐそばにあり、
 もしもの時には即座に消火出来る状態で実施しました。
 またビニールハウス内での燃焼実験ですが、ハウスは密閉空間ではなく、
 所々空気の入れ替えが出来る部分を設けてあり、一酸化炭素中毒を
 回避出来る状況を確保して行いました。

<最後に>
 今回燃料に竹を用いて実験を行いましたが、世の中には、伐採され、
 ただ捨てられる雑木や竹が存在します。
 何らかの熱源として有効利用出きるはずですが、利用するには多く
 の問題を抱えています。

 木や竹は自然の燃料であり不均質であり、工業的に均質に精製された
 燃料の様に安定した燃焼をさせたり自動制御を行うことが難しい燃料
 です。

 昭和の頃の主婦なら毎朝、扱っていた木の燃料ですが、現在は
 ほぼ扱うことが無く、だれもが素人です。

 人間が、取り扱うには危険が伴います。

 これまで、「認知」「判断」「行動」をする主体は人間でした。
 そのため、「人」を念頭に利便性をあげるには、均質で取扱い安く
 燃焼が安定する、制御し易い燃料が求められました。

 しかし近年、分野によっては「認知」「判断」「行動」で、「人」を上回る
 性能を示す物が現れました。

 コンピュータ、AI、ロボットです。

 従来、人間や、単純な制御システムで行っていた、ビニールハウス
 (グリーンハウス)の環境管理を、そう言った物達が、行う時代が
 来るのかもしれません。

 人間以外の物による、山林、街路樹、堤防の雑草、庭木の管理。
 人間以外の物による、植物プラントの環境管理や生産管理。
 
 現在、各種のセンサーの中で、嗅覚センサーや味覚センサーは、
 まだ値が高い様ですが、今後需要が高くなる可能性が有るように
 思えます。

<蛇足>
 ・さすがにロボットは珈琲を飲まないでしょう。
 ・手近な自然が、激安燃料になったら、自然が破壊され、
  はげ山や荒れた大地になりかねないかも。
  (中国の森は、どこかの割り箸になったとか、ならなかったとか)
 ・有機質が自然の中で循環するサイクルが壊れるかも。